【京都の枯山水庭園】枯山水って何?【今更聞けない】
2020/08/26
京都観光では寺社の庭園を巡るのも楽しみの一つです。
桜の咲く庭園、紅葉の見事な庭園、様々な庭園が観光客を魅了します。
ところでガイドブックやサイトなどでよく目にするのは
「枯山水の庭園が有名」「枯山水式の石庭が」などの案内。
「枯山水」とは何か?今回はその正体と魅力について紹介します。
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枯山水とは
枯山水(かれさんすい)とは、日本庭園や日本画の様式のひとつです。
庭園においては、池や川などを使わず石や砂などで風景を表現する手法で、砂や小石を敷き砂紋などで水面や波・流れなどの水を表現し、岩や小山を陸地や山に見立てる様式のものが多く見られます。
歴史的には室町時代の禅宗の発達とともに寺院で多く用いられ発達しました。
禅の教義や世界観を表現するものとして今日でも多くの寺社で見ることができ、京都では龍安寺の石庭などが世界的に有名です。
京都の有名な枯山水庭園
龍安寺方丈庭園
出典:Wikipedia
京都の枯山水庭園の代表格・龍安寺。
室町時代に創建された臨済宗妙心寺派の寺院で、世界遺産の一つとしても有名です。
幅22m、奥行10mほどの白砂の敷地に大小15個の石が配置されています。
15の石はいずれの位置から見た場合にも14個しか見えない作り(※一部の場所からは15個見えるらしいが)になっており、「不完全さ」を意図して表現したとも言われています。
1975年にイギリス・エリザベス女王が訪日の際に訪れ、絶賛したことで世界的に有名にもなりました。
住所:京都市右京区龍安寺御陵ノ下町13
アクセス:京都市営バス 「龍安寺前」
京福電鉄 「龍安寺駅」徒歩7分
圓光寺
圓光寺は徳川家康によって創建された臨済宗南禅寺派の寺院。
奔龍庭(ほんりゅうてい)と名付けられた庭園は石と白砂で龍と雲海が表現され、美しいしだれ桜が咲いています。
住所:京都市左京区一乗寺小谷町13
アクセス:京都市営バス 「一乗寺下り松町」徒歩10分
叡山電鉄叡山線 「一乗寺駅」徒歩15分
大徳寺塔頭 瑞峯院
出典:Wikipedia
一休さんで有名な大徳寺は臨済宗大徳寺派大本山の寺院。
境内には多くの別院・塔頭があり、豊臣秀吉が織田信長の菩提を弔うために建立した「総見院」や加賀前田家の菩提寺として有名な「芳春院」が有名です。
そのうちの一つ、「瑞峯院」には方丈を中心に南・北・西の三つの石庭があります。
岩と白砂の砂紋で蓬莱山と小島にに打ち寄せる荒波を表現した「独坐庭(どくざてい)」
中庭にあるキリシタン灯籠を中心に7つの石組みで十字架を表した「閑眠庭(かんみんてい)」
青石を一面に敷き詰めた「茶庭」
いずれも個性的な趣の庭です。
住所:京都市北区紫野大徳寺町81
アクセス:京都市営バス 「大徳寺前」徒歩5分
建仁寺 方丈庭園
出典:Wikipedia
建仁寺は鎌倉時代、臨済宗の開祖・栄西によって開山された臨済宗建仁寺派大本山の寺院です。
方丈は安土桃山時代、安国寺恵瓊によって安芸国の安国寺より移築されたもので、重要文化財に指定されています。
庭園は幅30m・奥行15mほどの広さを持つ枯山水庭園で「大雄苑」と呼ばれています。
住所:京都市東山区大和大路通四条下ル小松町
アクセス:京阪本線 「祇園四条駅」徒歩7分
阪急電車 「河原町駅」 徒歩10分
正伝寺
正伝寺(しょうでんじ)は、北区にある臨済宗南禅寺派の寺院。
方丈前の庭園は「獅子の児渡しの庭」と呼ばれ有名です。
背景にある自然の景色を庭園の風景に取り込む「借景」という技法を用いた庭園で、白壁の向こうに広がる青空と比叡山が見渡せます。
住所:京都市北区西賀茂北鎮守庵町72
アクセス:京都市営バス 「神光院前」徒歩10分
まとめ
今回は「枯山水」についてご紹介いたしました。
石と砂でもこれだけさまざまな表現があるものだと感動します。
ぜひ枯山水庭園で禅の境地に立たれてみてはいかがでしょう。